お知らせ

News

トップお知らせクロザリル(クロザピン)治療について

クロザリル(クロザピン)治療について

2021.08.27お知らせ

当院では、治療抵抗性統合失調症の患者様の入院を受け入れております。ご相談は医療福祉相談室までお問合せください。(TEL:045-520-3467)

クロザリルとは

当院では、クロザリル(クロザピン)による治療を行っています。クロザリルは、治療抵抗性統合失調症に対して、効果があることが認められている唯一の薬です。
日本で行われた臨床試験では、治療抵抗性とされる方のうち約57~67%で精神症状の改善が認められました。クロザリルは多くの国で使われており、日本には2009年に導入され2021年3月末までに延べ11,000人以上の方に用いられました。

 治療抵抗性統合失調症とは

統合失調症の方に対しては、近年多くの有効な薬がわが国にも導入され、その症状を改善できるようになりました。しかし、さまざまな薬をきちんと服用していても、幻覚妄想などの精神症状などが良くならないことがあり、これを「反応性不良」といいます。また副作用が生じやすいために、必要な量の薬を投与できず、そのために病状が良くならないこともあり、これを「耐用性不良」といいます。そしてこの「反応性不良」と「耐用性不良」をまとめて「治療抵抗性」といいます。


クロザリルの有効性

統合失調症の方で、他の薬で治療していても、次のような症状などが見られる場合は、クロザリルの投与を検討します。

  • 陽性症状(幻覚、妄想、興奮など)が改善しない場合
  • 陰性症状(無気力、無関心など)が改善しない場合
  • その他、統合失調症による症状・行動(多量に水を飲んだり、自分を傷つけたり、暴力をふるうなど)が問題となっている場合
  • 錐体外路症状(手足のこわばり、ふるえ、じっと座っていられないなど)のため、精神症状の改善に必要な量の薬が服用できない場合
  • 再発・再入院が繰り返される場合
  • これまでの薬による治療の継続が難しい場合

クロザリルの副作用

治療抵抗性統合失調症に対するクロザリルの有効性は高いのですが、白血球減少や心筋炎、高血糖といった重篤な副作用が出現するおそれがあるため、定期的な血液検査が義務づけられています。また、初回投与開始から18週間は、原則として入院管理下での治療が必要です。当院では、副作用出現時には必要に応じて血液内科を有する病院に搬送できるよう体制を整えております。

クロザリル患者モニタリングサービス(CPMS)

クロザリルは、この薬についての講習を履修し、クロザリルの情報や緊急時の対処を含めて十分な知識を習得し、審査を通過した医師(CPMS登録医)だけが処方できます。また、クロザリルによる治療を行う医療機関は登録が必要です。採血当日に血液検査などの結果を得ることができること、好中球減少症や無顆粒球症に対する対応が可能なこと、糖尿病内科医との連携が可能であること、CPMS登録医、CPMSコーディネート業務担当者、クロザリル管理薬剤師がそれぞれ2名以上いることが登録要件になっています。当院は、これらの要件を満たしており、クロザリルによる治療が可能な医療機関です。

PAGE TOP